2011年5月23日〜25日まで日本で初めてiMedia Brand Summitが開かれました。
米国で10年前に始まった、シニアマーケターに向けたカンファレンスで、これまでに米国、英国、アジア、オセアニアで会が開かれているそうです。
朝8時からプレゼンが始まり、昼はディスカッション、そして深夜12時過ぎまでネットワーキングが続く、恐ろしくハードな内容でした。
3日間を通じで学んだことを共有させて頂ければと思います。
私が事前に課題としてしてのは2つ
1)マスメディアとインターネットメディアのマーケティングの観点での融合は可能なのか?そしてその方法は?
2)最前線のマーケッターはキャリアパスをどのように築いているのか?
で、この2つについてはある程度の答えをつかむことができたのですが、ここでは簡単な紹介にさせてください。あんまりドキドキしない話なので。
1)については可能です。テクノロジーがリアルタイムトラックを可能にするので、なんとかなりそうです。CRMと連動した効果測定を行い、即時にメディア及びクリエーティブアロケーションを行うマーケティングの未来がすぐそこまで来ています。マイクロソフトCMO Haresh Khoobchandani氏がWindows7の具体的なプロジェクトを講演してくれました。
2)ここについては、実績あるのみ。同業種間での転職や、代理店からの転職、MBAなどいろいろな方法がありそうです。
そして講演の中で1番衝撃を受けたのが、CindyGallopさんの「変わりゆく現実における、近未来の広告」というプレゼンテーションでした。
彼女はクリエィティブエージェンシーのCEOの立場から、どのように広告が変わりつつあるか、という内容についてお話されました。
Goodness
Trasnparency
Action
Agency
Money
Production
Magic
この7つについて彼女が扱ったプロジェクトを交えながら話は進み、
大きく集約すると「透明性」「お金を生み出すこと」「主体性」
の話に集約されました。
「透明性」の話では企業のありのままの姿勢がソーシャルメディアなどのテクノロジーを通じて広がる、企業は規制も強制もできない、でその時どうするか、「良心」と「行動」を伴うしかない、という至ってシンプルな話でした。
彼女は「If I ran the world」というアイディアプラットフォームを具現化させています。
「もし私が世界をつくれるなら、◯◯◯」
◯◯◯にはあなたが望むことを書き込みましょう。
この◯◯に応じて、関連したすでに立ち上がっているプロジェクトが表示されます。そのプロジェクトをすすめるためのマイクロタスクを行うことで、貢献ができるようになっています。もちろん自分だけのプロジェクトを立ち上げることができます。例えば、バイク好きのコミュニティを作りたい。そこで必要なマイクロタスクはバイクショップの地図をつくること、誰か助けて!といった風に。
リーバイスがこのプラットフォームやキックスターターを使い、フィラデルフィアの困窮地域であるBraddockを助ける社会貢献活動を行っています。お金を出すだけではなく、集合知と集合行動を使って社会を助ける企業活動がすでに始まっているのです。
http://ifwerantheworld.com/we_would/growbraddockfarms
そして2つ目の「お金を生み出すこと」についても彼女ははっきり言います。「お金を生み出すことはセクシーだ」と。「銭ゲバ」に代表されるように、お金について話すことはナンセンスという古き良き時代の考え方もありますが、私は彼女にとても共感します。もし人をたくさん助けられるなら、そこで多くのお金を稼ぐことができるはずだからです。
そして、「人にお金を払ってほしいと思うなら、あなたにしかできない価値を生み出す必要があるのです。そして、あなたが自分にあると信じる価値しか、他人に対価を求めることはできない。」とも彼女は続けました。
長くなってきました、最後の1つです。
「主体性」の話。彼女は講演のコンセプトに出ていた7つを実現するために自分の会社を立ち上げました。言行一致が伴った人の言葉は重い。
そして私たちに語りかけます。「あなたたちが未来を作るのです」 話が大きくなってきましが、「自分がどうしたいのか」その問いが、海に投げ入れる小さな小石のように世界に影響を与える、そういう理解を私はしました。
企業の一員として働くとき、家族の一員としてあるとき、現実に即して「できること」をすることがまず求められます。競合他社の動き、今期の予算の達成、パートナーの望む自分であること、などなど。しかし1個人として、また1企業として「If I ran the world」の問いかけをすることは、ますます重要になると思います。【相対的な思考】ではなく【主体的な思考】です。世界中にいる仲間に呼びかけ協力をもとめること、同時に自分たちの商品やサービスや助けを求める人に届けること。それがテクノロジーを通じて可能になった未来に私達は生きているからです。
あなたはどんな世界を作りたいですか?
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